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アットホームな雰囲気の中、常に患者さんとご家族の目線でケアを提供
<奈良県奈良市 医療法人敬仁会 辻野医院>

院長 柳生隆視先生 院長 柳生隆視先生

奈良市の閑静な住宅街の一画にあり、50年にわたって地域に根ざした診療を続けてきた辻野医院。院長の柳生隆視先生は精神科の専門医として大学病院等で長く認知症に向き合ったのち、2012年から同院での診療を開始。その高い専門性と丁寧なアドバイスによって患者さんとご家族を支えています。

大学病院、精神科の専門病院で研鑚を積む

「学園前の宅地開発がスタートした約50年前に、妻の父である先代がここに辻野医院を開業しました。現在では妻が主に内科を、私が心療内科を診ています。認知症に関して特に看板を掲げているわけではありませんが、患者さんの約2割が認知症です」。

そう語る院長の柳生隆視先生は「認知症は精神科の医療において重要な対象の1つ」だととらえ、関西医科大学精神神経科、医療法人長尾会ねや川サナトリウムというこれまで重ねてきたキャリアの中でずっと認知症と向き合ってきました。

「大学病院は検査機器が充実していたので鑑別が難しい患者さんが多く来られていました。また、ねや川サナトリウムは入院施設を備えた精神科の単科病院でしたので、せん妄やBPSD(周辺症状)が強く出ている重症度の高い患者さんが多かったですね。そして、当院では主に“なりつつある人”を診ています。地域のクリニックからの紹介や口コミで来院されるほか、先代からの患者さんが高齢になって発症するケースも見られます」(柳生先生)。

 

検査結果と所見を目に見えるかたちで示す

同院のモットーは、アットホームな雰囲気の中で家族のように患者さんに接すること。「そうした関わり方が、早期の発見や一人ひとりに合った診療につながっているのでは」と柳生先生は考えています。

「例えば、一人で暮らせるけれども生活管理能力が少し落ちてきた場合、それがお薬の飲み忘れなどにサインとして現れることがあります。家族的なお付き合いをさせていただく中で、そうしたサインに気づくことが、当院の役割だと思っています」(柳生先生)。

落ち着いた雰囲気の診察室 落ち着いた雰囲気の診察室

初診の場合、柳生先生が30~40分程度、患者さんからお話を聞きます。ご家族が同席されるかどうかはケースバイケースですが、症状自体よりも「生活する上で何に困っているか」を中心に話を進めます。

「内科であれば、例えば検査結果の数字がいくらといった基準がありますが、精神科にはありません。それは精神科の奥深さであり、同時に弱みでもあります。患者さんやご家族は、やはり目に見えるものを示さないと納得していただけませんから、認知症の疑いがあれば心理検査をして、その結果と所見を書面でお渡しします」(柳生先生)。

 

検査結果を今後の生活にどう生かすかが重要

臨床心理士 三原智女さん 臨床心理士 三原智女さん
カウンセリングルーム カウンセリングルーム

心理検査を担当する臨床心理士の三原智女さんは「患者さんの負担にならないよう、気分良く検査を受けていただくことを心掛けています」と患者さんに向き合う姿勢を語ります。

「検査の途中でできないことがあると、どうしても患者さんは不安になってしまいますから、おしゃべりを楽しむ感覚で、“それでいいですよ”“できる範囲でかまいませんよ”とお声掛けしながら進めていきます」(三原さん)。

検査は、長谷川式簡易評価スケールのほか、MMSE(認知機能検査)、時計描画テスト(CDT)、バウムテスト、FAB(前頭葉機能検査)、ADAS(アルツハイマー病評価スケール)などを組み合わせ、患者さんの負担を考え45分を検査所要時間の目安にしています。

「明らかに認知症だと分かっている患者さんも検査します。なぜなら、症状の原因が分かればご家族は安心でき、また、納得してサポートできるようになるからです。つまり、検査結果をこれからの生活にどう生かすかが大事なのであって、単に『長谷川式で何点でした』というだけでは検査する意味はありません」(柳生先生)。

 

患者さんご本人とご家族、それぞれにアドバイス

検査結果報告書と日常サポートアドバイス(↑クリック:PDFファイル) 検査結果報告書と日常サポートアドバイス
(↑クリック:PDFファイル)

同院では、オリジナル書式の報告書を患者さんとご家族それぞれに提示。そこには、各検査結果の内容と所見に加え、今後に向けてのアドバイスがご本人向けとご家族向けに分けて記されています。なぜそこまで手間のかかることをするのか。「自分だったらそうしてほしいからです」と柳生先生の答えは明快です。また、口頭での説明も「これからの生活をどうするか」に重点を置いています。

「仮に長谷川式の点数が同じだったとしても、症状は患者さん一人ひとり違いますし、置かれている環境も違います。それぞれの生活に即してどれだけ具体的なアドバイスができるかが、問われていると思っています」(三原さん)。

また、最近では検査以外にリハビリテーション的な意味合いで、1対1で30分程度話す機会を設けている患者さんもいるといいます。

「回想法に近いやり方で昔の話や最近の話をすることで、時間や季節の感覚を持ってもらうようにしています。ご家族からも15分程度お話を聞いて、適宜アドバイスを行っています」(三原さん)。

 

各スタッフがそれぞれ患者さんの情報をつかむ

看護師 大崎さとこさん 看護師 大崎さとこさん

患者さんとの対話は診療・検査のときだけではありません。

「処置室で患者さんやご家族と話し込み、気がついたら30分経っていることもありますね」と、看護師の大崎さとこさんは柔和な表情で語ります。

「先生の前では言えないようなことを世間話みたいに話してもらうのですが、例えば食事がしにくいとか、尿の頻度はどれくらいだとか、生活の様子やお困りのことがそこから分かることも多いです」(大崎さん)。

ねや川サナトリウムの時代から共に働いてきた大崎さんに対し、柳生先生は「診察室の中でできることには限りがありますので、身体面にもメンタル面にも対応できる彼女には助けられています。また、臨床心理士の三原さんにも、一般的な心理検査以上の仕事をしてもらっています」と、スタッフに大きな信頼を寄せています。

「このように患者さんへのアクセスが多いと、その分得られる情報も増えて、治療にもプラスになると思っています」(柳生先生)。

 

自分なら、自分の家族ならどう診療してほしいか

辻野医院の皆さん 辻野医院の皆さん

同院の今後を展望し、柳生先生は「自分たちだけでやれることには自ずと限界がありますから、欲張っても仕方がありません。地域の病院・クリニックと連携しながら、アットホームな診療を提供していきたいですね」と語ります。

「認知症の診療にしても、うちでは画像撮影や入院に対応できませんから、総合病院と連携を図っています。また、できるだけいろんな会合に出て地域の開業医の先生方と知り合い、必要に応じて患者さんに専門の先生をご紹介するようにしています。今のところ、連携はスムーズにいっています」(柳生先生)。

先生自身もこの地域に住み、買い物に出かけた折に患者さんとばったり会うこともしばしば。そんな関係の中で「この地に根を生やしてやっていく」と先生は意気込みを示します。

「診療は決して医師の独りよがりであってはいけません。自分なら、自分の家族ならどうしてほしいか、常にそれを考え続けていかなければならないと思っています」(柳生先生)。

 

 

取材日:2014年2月21日

辻野医院の外観

医療法人敬仁会 辻野医院

〒631-0016
奈良県奈良市学園朝日町2-15
TEL:0742-44-2435

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