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初期診療から終末期まで一貫して認知症の方を支える
<東京都江戸川区 医療法人社団 城東桐和会 東京さくら病院>

医療法人社団 城東桐和会 東京さくら病院 医師 波多野良二先生 医療法人社団 城東桐和会 東京さくら病院
医師 波多野良二先生

急性期治療を目的とした一般病棟のほか、その後の療養ができる医療療養病棟、在宅復帰を目指す回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟と、症状や状況に合わせた病棟を備え、患者さん一人ひとりに合わせた手厚い医療サービスを提供している東京さくら病院。2015年9月には東京都から認知症疾患医療センターの指定を受け、地域の認知症診療においても中心的な役割を果たしています。

引き受ける病院が地域にないなら自分たちで

東京さくら病院を運営する桐和会グループは、1993年東京都江戸川区にプライマリ・ケアを中心とする篠崎駅前クリニックを開設。以後、数多くのクリニックとグループホーム、特別養護老人ホームを開設し、認知症デイケアや在宅医療、訪問看護などを展開し、徐々にグループとしての事業内容を広げ、2013年に東京さくら病院を新設しました。

東京さくら病院の内科医、波多野良二先生は、桐和会グループが認知症診療に携わるようになったきっかけを次のように振り返ります。

「ある年の年末に、私どもが運営するグループホームで、認知症の精神症状が強い入居者の方が肺炎になりました。スタッフは入院が必要と考えたのですが、打診した病院全てに断られたのです。当時の施設長が看護師でしたので、毎日点滴をしてなんとか正月明けまでケアしたのですが、本当に大変でした。そこで、どこも引き受けてくれないのなら、自分たちの手で認知症診療をやろうと思い立ったのです」(波多野先生)。

診断をつけるポイントはご家族からの聞き取り

波多野先生によると、初めて認知症の診察に来られる方は、大きく2つのタイプに分かれるそうです。まずは日常生活の中で物忘れが増えるなどした、認知症の初期段階と思われる方。次に、精神症状が発現してから治療の相談に来られる方で、同院ではこちらがより多くなっています。

「当院は駅前のクリニックのようなアクセスの良さはないので、なかなか気軽には来られないのでしょう。ご家族が自宅では対応しきれなくなって足を運ばれることが多いように思います」(波多野先生)。

診察はまずMMSE(認知機能検査)やADAS(アルツハイマー病評価尺度)を行った上で、必要に応じて画像診断を追加しますが、波多野先生は「診断をつける上でご家族からの聞き取りが非常に大切です」と話します。

「日常生活の中でどんなところが変わったか、何ができなくなったのかを詳しく聞き取ります。例えば、以前はおしゃれだったのに全く色柄の合わない服装をするようになったことなどは判断材料として重要です。こうした細かいところまで確かめるので、初診に1時間かかることもあります。ちょっと長いとは思いますが、丁寧にお話をお聞きすることがご家族の安心にもつながっていると思います」(波多野先生)。

グループ内のクリニックと密に連携

医療法人社団 桐和会 篠崎駅前クリニック 医師 谷川太志先生 医療法人社団 桐和会 篠崎駅前クリニック
医師 谷川太志先生

同じ桐和会グループの篠崎駅前クリニックでは、高血圧などで通院している患者さんに認知症の初期症状が見られた場合、東京さくら病院の認知症疾患医療センターを紹介することもあります。

外来と訪問診療を担当する内科医の谷川太志先生は、「初期の段階では、ご本人やご家族が病名を受け入れることが難しい場合があります。そのため、『まずは認知症疾患医療センターで専門の先生に診てもらいましょう』と勧めます。同じ話をするにしても、専門医からの方がスムーズに受け入れられる場合が多いですから」と説明します。

また、波多野先生と同様に、谷川先生も「ご家族から詳しくお話を聞くことが大切」と話します。

「認知症は、初期の段階ではご本人はさほど困ることはありません。大変なのは一緒に生活しているご家族です。初診では話しにくいこともあるかもしれないので、こちらから『何にお困りですか』と具体的にお聞きするようにしています」(谷川先生)。

初診のときには、認知症の方の表情の変化を見逃さない

医療法人社団 城東桐和会 東京さくら病院 認知症疾患医療センター 看護師 塩谷律子さん 医療法人社団 城東桐和会
東京さくら病院 認知症疾患医療センター
看護師 塩谷律子さん

東京さくら病院の認知症疾患医療センターに勤務する塩谷律子さんは、認知症ケア専門士の資格を持つ看護師。日々、ご本人やご家族からの電話相談や診療のサポートに努めています。塩谷さんが初診の方と話す上で心掛けているのは「電話ではお話を繰り返し聞いて確かめること。診察では表情をしっかり見ること」だといいます。

「ご家族の中には、一方的にどんどんお話になる方もいて、こちらの知りたい情報が得にくいこともありますので、ポイントを押さえて質問し、何にお困りなのかを具体的にお聞きします。HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)などの検査では、質問の答えを聞きながら、表情の変化を見逃さないようにしています。表情も診断をつける上で大事な情報ですから」(塩谷さん)。

認知症の方が自信と満足感を抱けるデイケアを

医療法人社団 城東桐和会 東京さくらクリニック 重度認知症デイケア 作業療法士 佐藤律子さん 医療法人社団 城東桐和会
東京さくらクリニック 重度認知症デイケア
作業療法士 佐藤律子さん

作業療法士の佐藤律子さんは東京さくら病院に隣接する東京さくらクリニックで重度認知症デイケアに携わっています。

利用者さんが施設内で過ごすのは、原則として1日6時間。医療保険適用の同認知症デイケアでは、集団作業療法を行っています。「皆さんで和気あいあいと過ごして頂けるようさまざまな工夫をしています」と佐藤さんは笑顔で話します。

「健康運動指導士が担当する体操や脳活性化トレーニングに加え、生活に関わる作業を取り入れているのが、当デイケアのポイントです。例えば、花や野菜の栽培や、お料理、洗い物などをプログラムに組み入れています」(佐藤さん)。

もう一つ大切にしているのは、利用者さんの得意なことを引き出して自信や満足感を持ってもらうことです。

「70名以上の方が通われていますが、例えばカラオケとか編み物とか、その方の“十八番”を見つけるようにしています。ご自分が得意なことに気付いていただくことで、ご自分のことを肯定的に受けとめてもらえるように心掛けています。それが生活する上での自信や日々の満足感にもつながると思います」(佐藤さん)。

ご家族に安心感を与えることが専門家の仕事

医療法人社団 城東桐和会 グループホームにこにこ南葛西 施設長 平林誠さん 医療法人社団 城東桐和会
グループホームにこにこ南葛西
施設長 平林誠さん

「医療と介護の連携も密なことが、私どもの強みです」と話す平林誠さんは、桐和会グループが運営するグループホームにこにこ南葛西の施設長。入居者さんはもちろん、ご家族にも安心して毎日を過ごしていただくことをモットーにしています。

「入居された方がその方らしく生活するのは当然のこと。ご家族にも安心していただいてはじめて“介護”だと考えています。ご家族の多くは、できるなら家で介護をしたいと思いながら、当ホームに預けられている。その心の中を理解することが、私どもの仕事の基本だと思っています」(平林さん)。

波多野先生は「認知症の方には特に、ご本人とご家族の生活までを考えたケアが大事です」と指摘します。

「ご家族は、仕事と介護をどうやって両立させるのか、医療や介護の経済的な負担はどれくらいになるのかなど、たくさんの不安を抱えておられます。その不安を和らげるためには、私たち専門家が、『3年後にはこうした介護が必要でしょう』といった見通しを示すことが必要です。真っ暗なトンネルの中にいると不安でも、先が見えれば気持ちは楽になりますから」(波多野先生)。

早期発見・早期治療と在宅治療の拡充が今後の課題

東京さくら病院および桐和会グループは、施設と人員を拡充しながら、地域の認知症診療を支え続けていますが「向き合う課題はまだまだ多い」と波多野先生は話します。

課題の一つは早期発見・早期治療。初期の段階で適切な治療を受けていれば進行を緩やかにできることがあるものの、実際に初診に訪れるのは精神症状が進んでからの方が多数。波多野先生は「これからは地域の方への啓発にも力を注ぎたい」と語ります。

また、東京さくら病院は認知症疾患医療センターの指定を受けてから日が浅く、地域での認知度が高いとは言えないのも課題です。「地域のかかりつけ医の先生やケアマネジャーに積極的に情報提供をし、使い勝手のいいセンターにしたい」と波多野先生は意気込みます。

さらに谷川先生は「在宅の方への訪問診療をもっと充実させないといけない」と指摘します。「単身やご夫婦だけの高齢者世帯で付き添うご家族がいないと、通院もままならないことがあります。だからといって私たち医療関係者が待っているだけではいけません。オレンジプランに掲げられているように、認知症の方が住み慣れた環境で長く生活できるよう、地域で体制を整えることが重要です」(谷川先生)。

認知症医療を社会貢献として捉える

認知症の医療や介護にはさまざまな課題をあることを意識しながらも、桐和会グループの皆さんは、「やりがいのある仕事」だと声を揃えます。

平林さんは「グループホームは介護というより共に生活する場です。長く接することでお互いに理解が深まるのが喜びです」と話し、看護師の塩谷さんは「初診のときには暗かった方の表情が、診療が進むにつれて明るくなる。その過程に立ち会えることがこの仕事の魅力です」と笑顔を見せます。

また、佐藤さんは「作業療法をしていて、利用者さんのやりがいを引き出せたときが、私にとっても一番のやりがいです」と話します。

そして波多野先生は、大きな視点で「社会の高齢化問題は、認知症の問題でもあります。すなわち、認知症の医療や介護は、ご本人やご家族のためだけでなく、社会への貢献として意義深い仕事なのです」と語ります。

「まだまだ課題は多いですが、これからより多くの医師が、この社会貢献活動に参加されることを期待しています」(波多野先生)。

 

取材日:2016年11月8日

医療法人社団 城東桐和会 東京さくら病院の外観

医療法人社団 城東桐和会
東京さくら病院

〒133-0063
東京都江戸川区東篠崎1-11-1
TEL:03-5664-1701

施設のホームページへ

 

医療法人社団 桐和会 篠崎駅前クリニックの外観

医療法人社団 桐和会
篠崎駅前クリニック

〒133-0061
東京都江戸川区篠崎町2-7-1
TEL:03-5666-1331

施設のホームページへ

 

医療法人社団 城東桐和会
東京さくらクリニック

〒133-0063 
東京都江戸川区東篠崎1-11-15
【重度認知症デイケア】
TEL:03-5879-7732

 

医療法人社団 城東桐和会
グループホームにこにこ南葛西

〒134-0085   
東京都江戸川区南葛西2-18-23
TEL:03-6808-1717

 

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