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手厚く幅広い医療・介護サービスで、地域の高齢者医療と福祉、両方を支える
<鹿児島県鹿児島市 医療法人慈恵会 土橋病院>

院長 土橋美子先生 院長 土橋美子先生

土橋病院は、心療内科・精神科・物忘れ外来・老健施設で患者さんの状態に応じた認知症診療に対応。初診時から居宅介護支援サービスにつなぎ、デイサービス、訪問看護などの幅広いサポート体制と連携。個々のニーズに応じたサービスで、地域の高齢者にトータルなケアを提供しています。

認知症患者さんに対するトータルケアを目指して病院機能を拡充

明治時代から続く産婦人科だった土橋病院が介護老人保健施設を立ち上げ、内科・神経内科などを掲げた総合病院となったのは1991年のこと。院長の土橋美子先生の父である先代の院長先生が「人が生まれてから死ぬまでをトータルにケアしたい」と志してのことでした。

「そうした父の思いを受け継いで私は内科医になったのですが、専門であった呼吸器内科では高齢の患者さんが多いこともあり、認知症の方とも自然にかかわってきました。特に私が院長に就いた2010年からは、認知症の患者さんを診ることが非常に多くなりましたね」(土橋先生)。

土橋先生が院長に就任後、認知症患者さんの増加に応じて、総合内科の病院としての機能の拡充、精神科、物忘れ外来の開設など認知症医療に積極的に取り組むとともに、認知症対応型デイサービスなど療養ケア施設を充実させ、必要となるニーズに応えてきました。

「以前は、認知症は人に隠しておきたいと考えていた患者さんやご家族が多かったと思います。しかし近年、認知症への理解が進んで、重症化する前に外来を訪れるケースが増えてきました。当院では、私自身の診療に加え、週3回の心療内科と週1回の物忘れ外来、精神科でそれぞれ専門の先生に診療にあたってもらっています。また、老健施設の城西ナーシングホームには、重度の患者さん用の病床を20床設けています」(土橋先生)。

初診時からケアマネジャーと連携し、迅速にケアの展望を示す

土橋病院では初診時の診察に約1時間をかけています。看護師による問診に続いて、医師が患者さんとご家族から詳細に話を聞き、長谷川式簡易評価スケールの検査を行います。

「そこまでで認知症か否かの診断は概ねつけることは可能ですが、正常圧水頭症や血腫、脳梗塞等の除外診断が必要ですから、脳のCT検査や採血を行います。そうした検査の間にご家族から生活の様子などを聞くことが多いですね」(土橋先生)。

診断をつける上で土橋先生が留意しているのは、症状はもちろん表情やコミュニケーションの仕方などを含めて“患者さん全体”を『診る』こと。そこには東洋医学を学んだ経験が生かされていると言います。

「臓器を診る西洋医学と、患者さん全体を診る東洋医学をバランスよく修得したことで、心の問題などを含め、特定の科にこだわらずに患者さん全体を診るようになりました」(土橋先生)。

そして、症状を治すだけではなく、ご家族を含めた患者さんの生活全般をサポートすることに力を注いでいます。診断がついた患者さんは、初診の段階でケアマネジャーに話をつなぎます。

「認知症の患者さんが来院されたら、受付からケアマネジャーを呼ぶ体制になっています。介護保険制度を知らない方も多いですし、ご家族も時間をやりくりして受診に付き添って来られるわけですから、初診時にできる限りのサポートを迅速に行うように心がけています。受診当日にケアマネジャーと話ができることで、その後のケアの展望が明確になり、介護サービスの手続きがスムーズにできるなど、ご家族に喜んでいただけることが多いですよ」(土橋先生)。

 

サービスを提案する前にとことん話を聞くケアマネジャー

居宅介護支援事業所ケアセンター城西 ケアマネジャー 前田修作さん 居宅介護支援事業所ケアセンター城西
ケアマネジャー 前田修作さん

土橋病院では、居宅介護支援事業所ケアセンター城西を有し、土橋病院の患者さんへの介護サービス利用支援に加え、地域の高齢者や包括支援センターからの問い合わせに応じてケアプランの提案を行っています。

「私は第三者なので、まず利用者さんやご家族の方との信頼関係を作ることを心がけています」

そう語るのは居宅介護支援事業所ケアセンター城西でケアマネジャーを務める前田修作さん。

「最初からどんどん説明しても、やはり拒否感を持たれますから、すぐに理解、納得してもらうことはできません。まずはじっくりと現状の生活やこれからの希望などをお聞きし、それを受けて適切なサービスをご提案します」(前田さん)。

医療施設や福祉施設との連絡調整もケアマネジャーの重要な仕事だけに、普段からの連携が欠かせないと言います。

前田さんは「認知症の在宅支援には、医療・福祉・地域の連携が必須です。施設や現場に何度でも足を運んで、直接支援している介護スタッフから話を聞くようにしています」と、スタッフやご家族からの話がとても重要だと考え、信頼関係の構築に努めています。

「ただ、介護保険サービスだけではできない部分があるのも現実。幸い鹿児島は都会に比べて地域の横のつながりが強いので、高齢者を隣近所の方に見守ってもらっている面も大きいです」(前田さん)。

ご相談は必ずしも土橋病院経由ばかりではありませんが、前田さんは「身近に土橋先生がいて、すぐに相談できるのはとても心強いですね」と同じ法人の中での連携のメリットを実感しています。

 

関連施設同士のスムーズな連携には病院外来看護師が活躍

慈恵会では、『高齢者の自立を支援し、安心して住み慣れた家や地域で暮らし続けられるように』との方針のもと、老健施設、居宅介護支援、訪問看護、デイサービスなど多数の福祉施設の運営も行っています。小規模多機能ホーム、グループホームなど認知症対応型施設も多く、認知症患者さんに対し幅広い医療・介護サービスを提供しています。

それぞれの施設は個々の特徴を生かしながらも、病院の外来看護師が要となり、グループとして密に連携しています。

「利用者さんの情報は、すべて当院の地域支援室で共有しています。各ケア施設では施設の看護師が利用者さんの健康状態を日々把握していますが、血圧が高いなど注意すべき変化が見られた場合には、すぐに病院の外来の看護師に連絡。外来看護師が臨機応変に動くことで速やかな処置に結びつき、薬の処方など適切な対応をします。もちろん当院以外に通院されている利用者さんもおられますので、それぞれの主治医の先生と密に連絡をとるようにしています」(土橋先生)。

 

訪問看護の利用をきっかけにデイサービスを活用

城西訪問看護ステーション 管理者 看護師 帖佐久美子さん 城西訪問看護ステーション
管理者 看護師 帖佐久美子さん

城西訪問看護ステーションの管理者を務め、訪問看護業務も兼務している帖佐久美子さんは、慈恵会の複数のサービスは相乗効果があると話します。

「利用者さんの中には訪問看護サービスを提供したことで体調を維持するだけでなく、デイサービスの利用に結びつき、楽しまれる時間、ご自分の力を発揮できる場が得られる方もいます。その結果、生き生きと過ごされるようになりましたね」(帖佐さん)。

このほかにも、認知症の独居の方で訪問系サービスでの対応が難しくなればグループホームへの入居をケアマネジャーに提案するなど、さまざまな連携による施設の活用が可能です。

訪問看護師の活動で院内看護業務に比べ苦労する点は、医療・衛生材料が少ないこと。「何かあったときにどう対応するかを常に考えています。ご自宅にあるもので何が使えるかを把握しておくことも大切」と、帖佐さんは日頃からの入念な確認を怠りません。

そして多忙な中でも、認知症の利用者さんの尊厳を大切にして小さな一言にも耳を傾けるとともに、ご家族には折に触れて介護へのねぎらいの言葉をかけています。

 

個人を尊重しながら、室内にこもらず積極的に外出

通所介護ケアガーデン中央駅前「エーデルワイス」管理者 迫田茂樹さん 通所介護ケアガーデン中央駅前「エーデ
ルワイス」管理者 迫田茂樹さん

「利用者さんのお世話をしているというよりは、一緒に楽しませてもらっている感じですね」

にこやかにそう語るのは、鹿児島中央駅にほど近いデイサービス施設、通所介護ケアガーデン中央駅前エーデルワイスの管理者の迫田茂樹さん。

同施設は認知症対応型を掲げており、約20名の利用者さんのほぼ全員が認知症の患者さんです。小規模・少人数の特性を生かし、利用者さんお一人おひとりの「自分らしく」を尊重したサービスを提供しています。

プログラムの特徴は外出が多いこと。ほぼ毎日のようにどこかに出かけ、1日をかけて外出することもあります。室内で過ごすより刺激があり、考える機会が多くなるため、認知症の進行抑制につながるからです。

「家から外に出るだけで“冒険”という方もいますので、そういう方には室内でレクリエーションをしてもらいますが、多くの方が外出を楽しみにして来られますね」(迫田さん)。

遠出の外出時には、車には20分以上乗らない、トイレ休憩をこまめに設けるなど、利用者さんの負担にならないように道中の細かな気配りが欠かせません。行き先も利用者さんの意見を参考にし、美術館や水族館など公共の施設をはじめ、錦江湾公園のバラ園や桜島のフェリーの中のうどんがおいしいからと出向いたことも。

「次はどこへ行こうかと、翌日、来年を楽しみにしながらお元気でいていただくのが、いちばん大事なんです」(迫田さん)。

外出した後は、撮影した写真からご自分で気に入ったものを選んでいただき、アルバムづくりを行っています。施設での活動が個人の思い出として形に残り、短期記憶の思い出しにも役立つことから、ご本人だけでなくご家族にも大変喜ばれています。

 

五感をフルに使って絵を描く臨床美術、長く通ってもらえることを願って

通所介護ケアガーデン薬師カサブランカ 管理者 茶圓雅代さん 通所介護ケアガーデン薬師カサブランカ
管理者 茶圓雅代さん

認知症対応のデイサービス施設、通所介護ケアガーデン薬師カサブランカの特徴は、プログラムに臨床美術を取り入れていること。臨床美術とは、創作活動を通じて脳を活性化して認知症の進行抑制を目指すもので、単に絵を描くだけではなく、「サンマの味を絵にする」「リンゴを食べたらどんな色」など、いわば五感を刺激しながら創作するのが特徴です。

「少し難しいのですが、それがかえって適度な緊張感につながっているように思います。描き終わってから、臨床美術士の先生の講評を聞き、作品を鑑賞するのですが、互いに褒め合って拍手してと、とても良い雰囲気になります。また、ご自宅に帰ってからご家族に『今日はこんな絵を描いたよ』と話すなどコミュニケーションのきっかけにもなっているようです」と同施設の管理者で、臨床美術の採用を決めた茶圓雅代さんは、このプログラムに手応えを感じています。

もうひとつの特徴はアロマセラピーを取り入れていること。利用者さんの中には、カサブランカでの活動中は楽しく穏やかにされていても、ご自宅に帰られてから症状が出てご家族が困っていることがありました。「利用者さんがご自宅でもリラックスして過ごせるようにとアロマセラピーを活動の中に取り入れたところ、ご自宅でも落ち着いて過ごされるようになったと聞き、大変うれしく思いました」(茶圓さん)。

茶圓さんたちスタッフは、カサブランカに通う利用者さんが明るく穏やかな雰囲気を気に入って長く通い続けてもらえることを願って、病気の進行を予防するリハビリケアを工夫して取り入れています。

 

通所、宿泊、訪問で24時間対応する小規模多機能ホーム、
同じ顔ぶれのスタッフで対応する安心感

小規模多機能ホーム武町 管理者 永江貴哉さん 小規模多機能ホーム武町
管理者 永江貴哉さん

小規模多機能ホーム武町は、通所、宿泊、訪問の各サービスを提供しており、地域の高齢者にとっては頼れる存在です。より利用者さんに寄り添ったサービスを目指し、2012年にデイサービスから小規模多機能ホームに業務形態を変更しました。

「薬の内服の確認など、ごく短い時間のご自宅訪問にも対応しますから、ご家族が遠方に住む独居の方の場合は、ご家族の安心につながっていると感じますね」と語るのは同ホーム管理者の永江貴哉さん。

「施設は高台にあって桜島を望むことができ、見晴らしがいい点が喜ばれています。一般の住宅を改修した建物なので家庭的な雰囲気があり、通所も宿泊も訪問もすべてのサービスを同じスタッフが担当しますので、自然に顔なじみになって、安心して利用していただけているようです」(永江さん)。

提供するサービスが多く、実質的に24時間対応のため、通所だけの場合よりスタッフの負担は大きくなりますが、認知症の利用者さんにはできる限り寄り添うのが基本。利用者さんのどんな行動にも理由があって、その方に寄り添うことによって徐々に信頼関係が作られ、落ち着いて過ごされるようになります。

「ある認知症の独居の方は、不安なせいか度々当施設に電話してこられていました。そこで、朝訪問し様子を見て、昼には通所してもらってお送りしたあと、夕方にまた訪問――それで安心されたのでしょう、電話は少なくなりましたね」(永江さん)。

 

地域の高齢者に、もっと頼られる存在に

慈恵会では、若く熱意を持って、真剣に患者さんや利用者さんと向き合う多数のスタッフに恵まれています。土橋先生は、思いやりとやさしさを持った『敬愛』、敬意と愛情のケアという考え方を大切にしています。この考え方は、施設で働くスタッフにもひろく浸透し、一人ひとりを尊敬し、その方にあったケアやサービスが提供されています。

このようなスタッフ育成において大きな役割を果たしているのが、介護関連職員の養成のための取り組み。ヘルパーや介護士を目指す人のために資格取得講座を開催。土橋先生や各施設管理者からの現場での体験に基づく講義は受講者から好評とのこと。まさに、さまざまな面で地域の医療と福祉を支える存在となっていますが「サービスを素直に受け入れられない方がまだまだ多い」と土橋先生は指摘します。

「“自分や家族ができるだけがんばるべき”“人の世話になると迷惑をかけてしまう”と考えている人が多いのでしょう。でも私たちはそれが仕事なんですから、迷惑でも何でもありません。むしろ人の役に立ってうれしいと思っていますので、どんどん利用して楽になってください」。土橋先生は明るく力強い言葉で話を締めくくりました。

 

 

取材日:2013年6月19日

土橋病院の外観

医療法人慈恵会 土橋病院

〒890-0046
鹿児島県鹿児島市西田1-16-1
TEL:099-257-5711

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 【居宅介護支援事業所 ケアセンター城西
 /ケアプラン相談センター城西】

TEL:099-286-0626/099-256-4960

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 【城西訪問看護ステーション】
〒890-0046
鹿児島県鹿児島市西田1-10-2
TEL:099-258-9380

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ケアガーデン薬師カサブランカの外観

通所介護ケアガーデン薬師 カサブランカ

〒890-0042
鹿児島県鹿児島市薬師2-8-33
TEL:099-256-8810

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ケアガーデン中央駅前エーデルワイスの外観

通所介護ケアガーデン中央駅前 エーデルワイス

〒890-0046
鹿児島県鹿児島市西田1-1-6-201・202
TEL:099-206-0200

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小規模多機能ホーム武町の外観

小規模多機能ホーム 武町

〒890-0045
鹿児島県鹿児島市武3-38-10
TEL:099-285-3766

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