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先進設備とぬくもりのある診療で地域の認知症診療を牽引
<埼玉県久喜市 堀中脳神経外科クリニック>

院長 堀中直明先生 院長 堀中直明先生

クリニックでは珍しい高度な検査設備を備えた堀中脳神経外科クリニックは、地元医師会の要望もあって院内に「物忘れ外来」を開設。認知症患者さんの来院数が急増しており、地域医療や患者さんのご家族とのより緊密な連携を目指しています。

脳神経外科の領域から取り組む認知症診療

埼玉県久喜市にある堀中脳神経外科クリニックは、2008年11月に開業しました。美術館のようにも見える明るく開放感のあるクリニックには、「不調や不安を抱えて来院する患者さんがゆったりと過ごせるような施設にしたい」という院長の堀中直明先生のこだわりが込められています。

堀中先生は順天堂大学附属病院の脳神経外科医として、長年脳血管障害を専門にしてきました。これまでの経験を生かし、地域の脳血管障害治療を担っていきたいという思いから、クリニック名に「脳神経外科」を掲げ、脳血管障害の予防、脳卒中や頭痛、めまい、認知症の治療などを行っています。

堀中先生は、この数年で認知症患者さんの数が増加し、医療機関の認知症への関心も高まってきたと実感しています。同クリニックへの認知症患者さんの来院数が急増したのは、VSRAD(早期アルツハイマー型認知症診断支援システム)を導入し、開業当初は標榜していなかった「物忘れ外来」を院内に開設してからとのこと。地元の医師会や他の病院の先生から、「脳神経専門の堀中先生のところで『物忘れ』を診てもらいたい」という要望があったことも、物忘れ外来開設のきっかけとなりました。

堀中先生は、認知症の診療への取組みについて、「脳外科医としてこれまでに認知症と深くかかわってきました。例えば、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などのいわゆる治る認知症については、かなりの数の治療をしてきました。大学病院などでアルツハイマー型と治療可能な認知症に鑑別し、治療する場合はわれわれ脳外科医が担当していましたので、認知症はとても馴染みのある疾患のひとつです」と説明します。

 

患者さんを不安にさせない接し方を工夫

看護師 塚原由美子さん 看護師 塚原由美子さん

看護師 多田なおみさん 看護師 多田なおみさん

同クリニックの物忘れ外来に訪れる患者さんは、「おかしいという自覚はあるものの、いきなり精神科に行くのは抵抗がある」という方や、ご家族が心配して一緒に受診する方、また、内科など他の病院からの紹介状を持って来院する方が多いそうです。

患者さんに来院動機をお尋ねする問診票で「物忘れ」に丸をつけた方には、先生の診察の前に、看護師が長谷川式簡易スケールやMMSE(認知機能検査)を使って検査を行います。開業時から勤務する看護師の塚原由美子さんによると、「以前は問診票を書いて診察に入り、それから必要に応じて長谷川式などを行っていましたが、それだと患者さんの待ち時間が長くなってしまいます。そこで、物忘れが気になる方や、紹介状を持っていらした患者さんについては、先に長谷川式をやるようになりました」と言います。

長谷川式の点数によって検査内容が違ってくるため、正しい結果を出せるように看護師はトレーニングを受けています。また、患者さんの気持ちを傷つけたりしないように、検査内容の説明の仕方などには細心の注意を払うと言います。塚原さんは、長谷川式を始める前に、患者さんのプライドを尊重し「なぜこんな簡単なことを聞くのだろうと思うようなこともお聞きしますが、よろしくお願いします」と一言添えるようにしています。

また、同じく看護師の多田なおみさんは、「以前、『ちょっと簡単な質問をしますね』と言って質問したところ、ご自分の年齢を答えられなかった患者さんが、『私には簡単じゃないです・・・・・・』と言われたことがありました。それからは『簡単な』という言葉は使わないようにして、できるだけ不安感を与えないように、『ご協力くださいね』と言葉をかけるようにしています」と話します。

臨床検査技師 藤本陽子さん 臨床検査技師 藤本陽子さん

臨床検査技師の藤本陽子さんも、「緊張すると点数が低くなってしまうことも考えられますので、常に気をつけて接しています」と、患者さんが不安な気持ちにならないように、また、プライドを傷つけるようなことがないようにスタッフ一同で気を配りながら接しています。

 

先進設備と思いやりが精度の高い診断につながる

放射線技師 星野智計さん 放射線技師 星野智計さん

MRIを備えた同クリニックでは、さらにVSRADを導入し、認知症の診断に役立てています。MRIを担当する放射線技師の星野智計さんが最も気をつけているのは、検査前の確認です。MRI検査では、金属が体内に入っていると大きな事故につながる場合があります。しかし、「ペースメーカーなどが体の中にありますか?」と聞いても、自分では答えられない患者さんもいるため、できるだけご家族にも同席して頂いて一緒に確認されるようにしています。「1人で来た患者さんについては、より注意しながら一緒に確認させていただいています」と星野さんは言います。

撮影中にも星野さんが気をつけていることがあります。検査は20分程度かかりますが、途中で自分が検査を受けていることを忘れてしまう患者さんもいるとか。そこで、撮影の合間のインターバルを長めにとって、「あと何分ですよ」「もう少し動かないでかんばってくださいね」などと言葉をかけるようにしています。「患者さんができるだけ楽に、固定された状態を維持できれば、それだけ正確な画像撮影ができます」と言う星野さんは、患者さんのために体の下にタオルを敷いたり、リラックスできるよう音楽をかけたりするなど、さまざまな工夫をしています。

可能な限りMRIによる即日診断を目指している同クリニックでは、検査によって緊急手術が必要な脳疾患を発見することもあります。認知症の疑いがあるということで他の病院から紹介された患者さんを検査したところ、慢性硬膜下血腫だったことが数例ありました。いずれもその日のうちに近隣の総合病院に紹介して手術し、大事には至りませんでした。また、急激に認知症が進んだという患者さんを検査したところ脳内出血を発見し、やはり他の病院を紹介してその日のうちに開頭血腫除去を行ったと言います。即日診断が功を奏すると同時に、病院間の連携がスムーズにいった結果でした。

 

今後の課題は、さらに地域連携を深めること

地域の認知症診療の担い手として近隣の病院から頼りにされる存在となっている同クリニックですが、最近では特に内科の先生からの問い合わせが増えてきたと言います。認知症患者さんの数が増えてきたという背景もありますが、「内科をはじめとした先生たちの認知症への関心が高まってきた」と堀中先生は感じており、「数種類の新薬が出ましたし、今後10年はますます認知症への注目度が高くなっていくと思います」と語ります。

堀中先生が今後の課題と考えているのは、他の施設とのさらなる連携の強化です。アルツハイマーの診断基準が確立されていない現在、鑑別は非常に難しいと堀中先生は言います。同クリニックで鑑別が不可能な場合は、先生が非常勤で診察を行っている順天堂大学の付属病院や、埼玉県の精神神経センターなどの専門機関に依頼して補助診断をしているそうです。

「今後は、PETを含めた画像診断など、新しいモダリティー(検査機器)がどんどん出てくるでしょう。確定診断に大きく貢献するような最先端の検査ができる施設と連携を取ることが目下の課題です。あまり遠方では困るので、できるだけ近くをと考えています」(堀中先生)。

最先端の機器による確定診断を目指すとともに、患者さんやご家族への温かい診療に努める同クリニックには、地域の認知症診療の担い手として大きな期待が寄せられています。

 

 

取材日:2011年9月30日
堀中脳神経外科クリニックの外観

堀中脳神経外科クリニック

〒340-0202
埼玉県久喜市東大輪507-1
TEL:0480-59-6661

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