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早期発見、早期治療が認知症患者さんのQOLを保つ鍵
<愛知県名古屋市 医療法人春陽会 サクラクリニック>

院長 野田泰永先生 院長 野田泰永先生

サクラクリニックでは、認知症に限らず「病気にならない」取り組みを重視しています。フィットネスクラブを病院に併設し、生活習慣病などで受診した患者さんに運動をする機会を提供しているほか、認知症予備軍を見つけるために、ゲーム感覚で認知症がチェックできるソフトの導入を検討しています。「おかしい」と思ったら早めの受診を勧める野田泰永先生は、生活習慣病などの一般の患者さんに対してこそ、早期発見、早期治療の意味が大きいと考え、日々の診療に臨んでいます。

生活習慣病治療のなかで認知症と関わって

院内に併設したフィットネスクラブ 院内に併設したフィットネスクラブ

循環器専門医である野田泰永先生が1998年に開院したサクラクリニックは、内科・循環器科・外科・消化器科・小児科・リハビリテーション科のほか、2階にデイケア施設、3階にはフィットネスクラブを併設しています。こうした施設を充実させたのは、生活習慣病の患者さんに運動を勧めるだけでなく、実際に運動できる環境を提供し、実行してもらうためです。

「動けなくなる前に予防をはじめ、動ける状態を長く維持できるようにサポートするのも医療の役目」と野田先生は言います。

認知症に限らず、病気になる前の段階を重視した医療を提供する同クリニックを受診する患者さんは、高血圧症などの生活習慣病での受診が中心で、多くが高齢者です。そのなかに認知症の患者さんも年々目立ってきているのが現状です。

野田先生が認知症に深く関わるようになったのは、名古屋市医師会の理事として、2005年「なごや認知症安心安全プロジェクト」を企画立案し、その立ち上げから責任者の一人として活動されてきたことがきっかけでした。このプロジェクトでは、かかりつけ医と認知症専門医との連携の枠組みを作ったり、認知症患者さんを抱えるご家族からの相談に応じてもらえる「もの忘れ相談医」を地域に作っていく活動などを行ってきました。野田先生は、こうした活動を通して同クリニックを受診する患者さんに対しても、認知症予備軍である可能性を意識し、早期発見のための取り組み、呼びかけを行うようになったと言います。

 

早期発見のために健診としての定着を提案

認知症は中期、後期の症状が出てから受診、治療を開始することがほとんどで、受診した時点ですでに患者さんやご家族の生活は大きなストレスを抱えた状態になっていることが多いと言います。そして、認知症は症状が認められてからの治療では、患者さんの生活を良い状態で長く保つことが難しい病気でもあります。「症状が出るまでに予備軍を見つけて認知症が進行するのを抑えたい」と、早期治療開始を重視する野田先生が、常々注視しているのは、患者さんのしぐさや対応の仕方の変化です。

それでも、「長年、生活習慣病のため一人で通院されている患者さんが、ある日突然家族を伴われて来院され、その家族の方から日常生活でおかしな行動をするようになった、などの相談があって、はじめて認知症の存在に気がつくケースも多くあります。また認知症患者さんは、診察のときはしっかりとした姿を見せようとするため、微妙な変化にまでは気づけないことも多いのです」と症状の出ない段階での発見の難しさを野田先生は指摘します。

こうした早期発見の課題解決のひとつが、健診の導入です。「60代、70代の生活習慣病患者さんはもちろんですが、健康に生活している方にも健診を受けてもらうように制度化すれば、認知症予備軍の発見につながります。認知症は様々な薬が開発されているので、早期の段階で投薬などの治療を開始すれば、生活のクオリティーを長く維持することは可能なのです」(野田先生)。

 

非専門医だからできる早期発見の可能性

健診の重要性を強調する野田先生は、認知症専門クリニックでない同クリニックだからこそ担える認知症早期発見の可能性にも注目。「当クリニックを受診する患者さんは、循環器の病気で通院しているけれど、まだ認知症の治療を必要としているわけではない、という方が大半です。そういう患者さんのなかに認知症予備軍を発見することの意義は大きい。認知症専門クリニックでない病院が、健診などに取り組むことで早期発見できる、ということです」(野田先生)。

質問に答えていくゲーム感覚のソフトで、簡単な認知症チェックができるタッチパネル式検査の院内への導入準備を進めています。患者さんに気負わず、気楽にチェックしてもらう環境を整え、得られた客観的な判定データを元に、認知症予備軍と疑われる患者さんに対しては、適切なフォローや専門医の受診や検査を促すようにしていきたいと考えています。

 

早期発見につながる看護師の役割

明るい待合室 明るい待合室

また、患者さんのしぐさや対応の仕方を注意深く観察し、早期発見の手がかりにしている同クリニックでは、看護師をはじめとする医療スタッフが重要な役割を果たしています。待合室での患者さんの話しぶりや態度などは普段の様子に近く、医者を前にしたときのものとは違うと、先生は指摘します。

こうした先生の考え方のもと、認知症レベルのチェックなど、看護師、医療スタッフが認知症に対する高い意識を持っているのも同クリニックの特徴で、気づいた情報は先生に伝達され、すみやかに診察に活かされます。

「診察室に入ってくる段階で、患者さんは緊張して、普段より元気な様子を見せようとします。不安や心配していることがあっても、素直に口にできないこともあります。その点、看護師や医療スタッフには受付や待合室など診察室の外で世間話をするときなどに、日頃の困ったことを相談したり、普段の態度を見せてくれるものです。いつもと違う様子があれば看護師を通して私に伝わり、検査などを行うこともあります」(野田先生)。

 

医者は名クローザーであるべき

名古屋市医師会の理事として、認知症サポートに携わった野田先生。「名古屋市では、かかりつけ医のなかで『かかりつけ医認知症対応力向上研修』を受講した医師、あるいは、認知症サポート医で、認知症ケアシステムの趣旨に賛同した医師は、『もの忘れ相談医』として広く市民からの相談や治療に当たっています。各病院や施設で、基本的な健診で簡単な認知テストなどを行い、疑いのある人には、もの忘れ相談医による診断を促し、早期の治療を開始する。一方、受診する側も『もの忘れ』という言葉に臆病にならずに、少しでも不安を感じたり、おかしいと感じたら受診をしてもらう。そうできるシステムの定着と環境をつくることが重要」と強調しました。

そして、「認知症を発症した患者さんも、ひとりひとりに生活背景があり、今まで生きてきた歴史があります。今の姿のみを見て『認知症のおじいさん、おばあさん』として対応するのではなく、その人の生活を守る、維持するため、野球で言えば試合の最後を締めくくるクローザーとなるのが医師の務めでもある」と野田先生は語ります。

 

 

取材日:2011年8月10日
サクラクリニックの外観

医療法人春陽会 サクラクリニック


〒468-0033
愛知県名古屋市天白区一つ山2-6
TEL:052-801-3931

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